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世にも奇妙な物語 2011 秋の特別編

少し時期を遅らせて放映された秋の特別編。
その感想。

『憑かれる』(主演:松下奈緒)
シンプルなホラー系。
もっと主人公を悪役にしても良かったと思う。彼氏と原稿を取られただけにしては、恨みが小さく感じるので。演出がよかっただけに。

『JANKEN』(主演:三浦春馬)
ジ〇ンプに連載されていそうな作品。
スタンドが現れたりじゃんけんで国の重要な物事が決まったりアクション映画のパロディがあったりと、見ている側を大いに楽しませてくれる作品となったのではないか。
比較的ライト層に受けていそうな作品。

『ベビートークA錠』(主演:水川あさみ)
近年ではかなり良作の部類に入るであろう作品。
誰もが幼児退行オチを読んでいたがそれを見透かされるように感動系への転換。
最後の場面は色んな解釈があるが、この物語の始まりは薬を買うシーンではないかと思っている。カートを離した場面は、薬を断ち切った主人公の姿なのではないだろうか。
また、水川あさみの演技が絶妙。あんなに演技の巧い女優さんになっているとは思わなかった。

『耳かき』(主演:浅野忠信)
恐らく往年の世にもファンが好きなタイプの作品。
『JANKEN』はそれこそ今の時代にアニメや漫画にしたらそれなりに面白そうな作品ではあるが、
あくまでも『奇妙さ』という観点で見れば、この作品のシュールさが見て取れる。
世にも奇妙な物語においては、超展開よりもハテナが頭に浮かんだまま終わってしまう作品の方が評価が高い。お店の初めから最後までのメニューを食べつくしたかと思うと、もう一度最初のメニューを注文し始める『ハイ・ヌーン』という作品や、聞いたこともない、意味も知らない言葉が周りで流行る『ズンドコベロンチョ』などなど、「何故こうなったのか」という理由が説明できないものが評価される。
原作があるということもあり、設定も面白い。
まあ簡単に説明すると、耳かきが耳の中に内蔵されて、その耳かきが鼻から出てくるというだけの作品です。それにしても暗殺者役の浅野さんはダンディズムでかっこよかった。

『いじめられっこ』(主演:志田未来)
主演:志田未来という時点である程度ブラック落ちであることを連想していたらその通りに。原作では主人公の予想通り転校生がロボットらしいが、ドラマでは逆に。
ちなみに、かつて『採用試験』という作品では、人間らしさが足りずにリセットされたロボットがいたが、今作では逆に人間らしさを持ち過ぎた結果、リセットされるという悲しい結末に。志田未来の目力に圧倒された方も多いのでは。
最後のキーホルダーの描写は、より虚しさを増幅させるスパイスになった。


総括すると、『JANKEN』『耳かき』というコメディ・シュール作品を軸に『いじめられっこ』のような王道ブラック、そして『ベビートークA錠』のように、終わり方に新たな切り口を持った作品が盛り立てたという印象。一時のつまらない世にも奇妙な物語を脱した感はこの一年で見て取れる。ただし、『憑かれる』のようなホラーのウケが悪い以上、トップバッターに持ってくる作品ではないのは確か。また、『ベビートークA錠』『いじめられっこ』に見える今の社会問題を通じても、『憑かれる』にはとりわけメッセージ性を感じなかった。
ちなみに、世にも―における演出家の実績を考えると、期待度は『耳かき』>『JANKEN』>『いじめられっこ』>『ベビートークA錠』>『憑かれる』の順になるのだが、評判も大方その流れが合っている気がする。ただし、『ベビートークA錠』と『憑かれる』の間には大きな差を感じずにはいられない。
今年は震災もあり、過度な演出や恐ろしさを持たせる作品は少なかった。しかし、ネットの世界の闇に切り込んだ春の『ドッキリチューブ』や『分身』に比べ、秋の『ベビートークA錠』『いじめられっこ』は既存の目線での作品作りがなされたように思える。毒気は秋の方があるように感じられた。一方、ホラー系では春の「缶けり」が久々のヒット作になったわけであるが、あの時は大量に人が死んだこともありクレームがついたのか、秋はものすごく落ち着いたつくりになってしまっていた。それは仕方ないとしか言いようがない。ただ、現代でホラー作品を当てることが、難しくなっているのは確かであろう。
また、春に見せた『通算』のようなストーリー性のあるコメディ枠は秋にはなく、むしろ突っ切ったのが良かったのだろうか。『耳かき』はゼロ年代を代表する作品となるだろう。


かつての世にも―は、とかく恐怖を感じずにはいられなかった。
しかし、作品数が増え、やれ焼きまわしだ、やれマンネリだと言われる以上、物語を作る側は新たな色合いを見せる時が来ている。感動できる作品(例:『過去からの日記』『家族会議』)、シュールな作品(例:『夜汽車の男』『行列のできる刑事』『理想のスキヤキ』)、携帯電話やネット社会の裏をつついたブラックな作品(例:『ネカマな男』『密告(チクリ)ネット』『検索する女』)。原点回帰をするのではなく、温故知新のスタンスで来年へとまた新たな奇妙な世界へ、視聴者を連れて行ってほしい。
ただ、ゼロ年代を代表するホラー作品として、『午前二時のチャイム』のような、「どうしてそうなったんだ、でもめっちゃ怖い!」という作品が見たいのも確か。僕も小説を書く身としては、物語で惹きつける部分を磨いていきたいと思う所存である。 終。
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平凡より少しずれた生活を送っています。マイペースな性格が災いしブログの更新もかなり不定期ですが、よろしくお願いします。

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